池松潤です。
今回から、情報発信学・ニュースレターをスタートします。サブスタックにまだ慣れないのですがよろしくおねがいします。組織のDX(デジタル・トランスフォーメーション)に伴って、個人のDX化ともいえるSNSシフトが進んでいます。情報アウトプットがどのように変化しているか社会構造の変化を情報発信学の視点でお届けする、ニュースレター形式のシリーズです。ほぼ毎週・月曜日に配信しようと思いますのでよろしくおねがいします。
第1部:「黙って優秀な人」よりも「未熟でも目立つ人」に評価の軸がシフトしている
第1回:「工業化社会から情報評価経済社会へ」―見えない格差の本質
情報評価・経済社会とは、「未熟でも目立つ人が評価される時代」のことです。優れた技や、修練されスキルを持っていても、沈黙していては誰も築いてくれませんし、評価することもできません。
不言実行とは、目標などを口に出したり、ああだこうだと能書きを述べたりせずに、実行に移すことを言いますが、不言実行を美徳としている人にはSNSでの情報発信はは感情的に合わない部分があるかもしれません。それは武士社会から近代社会への変革期の様相に似ていると感じます。つまり価値観の変化に伴った思考様式の変化が起きているからです。
SNSで誰もが情報発信できるようになると、情報価値はフラット化して平等になるように思えるかもしれませんが、実は情報格差が広がります。「何を言うか」よりも「誰がいうか」の方が重視されるからです。フォロワー数の多い人が影響力を持つようになり、フォロワー数が多い人がインフルエンサーとして評価されるようになってきました。
工業化時代の価値観は、ものづくりの思考様式です。カイゼンや、リサーチ&デベロップメントが重視されていました。良いものを作るためには、アイデア発想より開発が大事で、知ってもらう広告に頼るより良いものとして売れることが大事でした。
情報評価・経済社会の価値観は、ネットのプラットフォームであるSNSやECなどのサービスが情報を握り、ユーザーに最も近いポジションを得ています。この状況はメーカーより小売業が消費者に近いのでチカラを得た状況に似ています。ユーザーどころか、ユーザーの脳に一番近いのがスマホで、そこで常に利用されているアプリにパワーシフトしています。SNSはもっとも脳に近い存在です。
SNSでは、「黙って背中を見せる」タイプはもてはやされません。未来の事を語る「これやってみたい」とか「こんなのが楽しそう」など、事前告知が大事です。なぜならば「結果」だけドンと見せられても「それまでのプロセス」がわからないので、「え?なんで」とか「へぇ。それで。。」となってしまい、共感を得ることができないからです。
「なぜ気づきを得たか」という着眼点や、プロセスを知ることで共感が始まります。例えて言うなら映画の番組宣伝や裏話を知って興味が沸くのに似ています。個人の情報発信は予めプロセスを公開プレゼンテーションすることで、納得や理解がはじまるのです。誰もが情報発信できるということは、誰もが「ひとり放送局」になることなので、発信者目線で行動すると拡張したパワーをSNSから得ることができます。インフルエンサーはSNSの特性をよく理解していて、個人を最大まで拡張して影響力を手にした人と言えるかもしれません。
予め情報発信していくことを、プロセス・エコノミーと言いますが、これは「過程の方がビジネス(バリュー)が大きい」という考え方です。 これまでは「出来上がった商品」や「サービスを購入する」だけでしたが、クラウドファンディングで予約購入したり、オンライン・コミュニティ参加してもらって「出来上がるまでの体験」を楽しむことです。「モノよりコト」状況とは、物質から「繋がり」や「出会い」に価値がシフトして、「心のすき間」を埋める体験にお金を払う人が増えているのだと考えます。
工業化社会から情報評価・経済社会への変化は、脳内から生じる価値観や思考様式の変化であり、誰にも止められない大きな潮流の変化だと思います。社会構造変化で生じているのが、情報発信力による格差が広がっていることです。情報は出さなければ良質な情報は入ってきません。情報がなければ正しい判断もできませんし、有効な手だても打てません。情報発信の格差は、スキルの格差につながり、所得の格差にまで及んでいると感じます。
だからこそ、SNSを利用した情報発信スキルを体系的に学び、社会構造変化へ対応するために除法発信学は必要なのです。
情報評価・経済社会とは「未熟でも目立つ人が評価される時代」であり、そこで新たに生じる格差の本質は「可処分時間」と「SNSアルゴリズム」であり、その原因で格差が生じています。社会構造の変化は人事にも及んでいて、肩書き社会からスキル社会へ移行しているとも言えます。
情報発信学・ニュースレターは、ほぼ毎週月曜日発行を予定してます。ではまたこちらでお会いしましょう。
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池松潤(いけまつ じゅん)
恋愛小説家/ サイボウズ式第2編集部 / アウトプットLAB 情報発信学 SNSコーチング ※最新情報・メディア・イベントなど詳しくは ⇒ コチラ
こんにちは!
単一組織であれ、複合組織であれ、疎外感を外部認識で埋めようとするから不幸になる。
最近、そんな風に思っていたので今一度、自分に問うてみたいと思いました。
埋めようとすればするほど穴は広がるばかり、になっていないか、と。
また、月曜日の更新を楽しみにしています!