池松潤です。サブスタックってEメールで配信されるとき図や写真が削られて届きます。サブスタックのサイトに飛ぶと図解入りで読めます。今週もよろしくおねがいします。
私は福岡移住して8年になりますが、他拠点に移行して都市を移動しています。福岡⇆東京はLCCを活用すれば往復1万5千円くらいです。福岡⇆大阪・新幹線バリ得こだま往復が1万5千2百円である事を考えると移動費とは距離で決まるのではなくて、競合・便数・人口・都市GDPに左右される事がわかります。
移動していると見えてくるのは「情報発信力」の違いです。東京と地方を比較する事で理解できる「情報アウトプット」のリアル。 東京・港区で生きてると分らない「東京は別の国」をデータでお話しします。SNSをビジネスに活かしたい方へお役に立てたら嬉しいです。情報発信学・ニュースレターは、ほぼ毎週月曜日発行を予定してます。
池松潤(いけまつ じゅん)
恋愛小説家/ サイボウズ式第2編集部 / 情報発信学 SNSコーチング ※最新情報・メディア・イベントなど詳しくは ⇒ コチラ
第4回: 港区で生きてると分らない「東京は別の国」3つの視点でみる東京と地方の違い
1▼所得の違い
各市町村区で年間所得の違いをランキングして見ると、1 位の東京都港区 11,151,998 円と、最下位・1741 位の熊本県球磨村 1,970,095 円は、約5.6倍違います。 「円」がひとつのレートで取引されている事が異常なのではないか?とさえ思えてきます。
全国市区町村1741の市区町村の所得・年収データをランキング
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東京都港区 11,151,998 円 1 位
東京都千代田区 9,447,612 円 2 位
北海道猿払村 8,137,340 円 3 位(※)
東京都渋谷区 8,012,969 円 4 位
東京都中央区 6,346,344 円 5 位
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沖縄県本部町 2,079,851 円 1737 位
秋田県藤里町 2,070,515 円 1738 位
沖縄県今帰仁村 2,041,071 円 1739 位
北海道上砂川町 2,024,167 円 1740 位
熊本県球磨村 1,970,095 円 1741 位
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※3位・猿払村(さるふつむら)は、人口2,769人・北海道宗谷地方北部に位置する日本最大のホタテ水揚げ地。海外輸出など近年所得が伸長。
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市区町村別の平均年収ランキング 総務省平成29年度(2019年2月現在)より
2▼1時間で到達できるエリア面積の違い
1時間以内に到達できるエリアでもっとも面積が広いのは東京です。1時間の移動で到達できる面積も大きいし人口密集しているので「会える人の数も多い」のがわかります。情報の行き交う量がそもそも違うのは、1時間以内に会える人の数の違いから生じています。会って話す「情報量」は、文字だけのコミュニケーションとは比較にならないほど情報量が多いので、情報の行き交う量がさらに増えるというスパイラルが起きています。これは「情報は金利に似ている」とでも言い例えられるかもしれません。情報の行き交う量が少ない地方は「情報が行き交わない」ので情報の在り方が違うのだと感じます。コロナ禍でリモートワークが進むと関係なくなるかと思いましたが、逆にその差は広がっている印象を受けます。
https://about.yahoo.co.jp/info/blog/20170222/bigdata-report.html
3▼ヤフー検索数の違い
ヤフーの47都道府県別の検索数調査で、検索を使っているのはダントツに東京だけです。「東京は別の国」と言われる所以です。地方ではリアルつながりだけで生きている人がほんとんど。東京以外の地方はそういう人たちで成り立っています。つまりリアルで出会う「限られた商圏」で生きていると言い換える事もできるかもしれません。
東京で仕事をしていると認識できませんが、スマホやネットを駆使している人は、日本全体で見ると超マイノリティです。大半の人はネットは利用しても使うのはEメールとLINEとソーシャルゲームくらい。日常的に検索すら使わない人が沢山います。これが「情報アウトプット」に対しての実感値に影響を及ぼしている理由だと思います。
「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」より
https://about.yahoo.co.jp/info/blog/20160308/bigdata-report.html
「情報アウトプット」を支える基礎的な条件である「所得」「交通利便」「検索」でこれだけの違いがあります。東京・大阪・福岡を行き来していて各地域で「note+Twitterの使い方」を説明するのは難しいなぁと感じています。何から何まで違うからです。これを「情報感度の違い」と一括りにするには「解像度が足りない」なと気がつきました。考察していると、「情報感度の違い」はドンドン大きくなっていて若い人達に悪影響が残る気がしています。「情報アウトプット」する事さえも知らずに社会人になり、それが所得の違いに繋がるのではないかという懸念が杞憂に終わるといいのですが現実になっているのです。
専門学校や、大学や、グロービスのようなビジネス・スクールに「情報アウトプット」の具体的なアドバイスをしてくれるコースはないのです。学校ではSNSが禁止され、就職先でも使い方を教わる事も無く30代・40代になる人口がどんどん増えています。これが「あらゆる判断の為の情報」に格差が生まれると推測しています。
「情報アウトプット」はスキルなので、ハードの様になかなか「見える化」できません。スマホ画面上が「GAFAの植民地化」していると例えても過言ではありません。これは目に見えない事なので、気が付いてからでは手の施しようも無い状態になると感じています。情報発信しなければ、有益な情報は入ってきません。本当に有益な情報は金銭では買えません。希少性の高い「有益な情報」ほど物々交換だと思います。
世間には「〇ヶ月でフォロワー数を〇〇万人に増やしました」というセミナーはあっても「自分の仕事や興味関心のためにSNSをどう使うか」を教えてくれる所はありません。ライターのためのライティング教室はあっても、SNSを自分の仕事のためにどう使うか、ゴール戦略からどうつかえばいいかを教えてくれる所はなかなか見当たりません。
というわけでSNSコーチングをはじめましたが、実践スキルにはSNSの使われ方を社会構造やリテラシーから読み解くことも大事だと感じています。SNSをビジネスに活かしたい方へ少しでもお役に立てたら嬉しいです。情報発信学・ニュースレターは、ほぼ毎週月曜日発行を予定してます。ではまた来週お会いしましょう。
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